ほぼすべてのウェアラブルデバイスから心拍変動(HRV)をダウンロードできますが、ファイルの中身は三つのうちのどれかです。心拍と心拍の間隔のすべて、測定ごとのHRV値、または一晩につき一つの数値です。HRVを自分で計算できるのは最初のものだけで、残りの二つは、機器がすでに計算した数値です。
このガイドでは、プラットフォームごとに書き出しの手順を示し、三つのうちどれがどの形式で手に入るかを説明して、最後にファイルの使い道を紹介します。メーカーのヘルプページと開発者向けドキュメントは、2026年10月22日に確認しました。アプリのメニューは変わるため、手順が自分の画面と合わない場合は、出典に挙げたメーカーのページに従ってください。
HRVデータの三つの深さ
1夜を3つの細かさで見る
学習用モデルの架空のデータ
-
拍ごと(RR間隔)
拍と拍の間隔すべて。安静時で1分に約60~80個です。
RMSSD、SDNN、周波数指標など、どんな指標でも計算できます。拍にアーチファクトがないかも自分で確認できます。
例: Apple Healthのexport.xml、Log HRVをオンにしたGarminのアクティビティ、Polar FlowのRRファイル、胸部ストラップのアプリ。
この1分間のRMSSD:33ms
失われるもの:拍そのもの。ほかの指標は計算できません。
-
測定ごと
測定ごと、または数分ごとのHRV値が1つ。機器がすでに計算したものです。
HRVが夜のあいだにどう動いたかが分かります。指標はメーカー独自のもので、計算し直すことはできません。
例: Apple WatchのSDNNの測定値、Ouraの5分ごとのサンプル、PolarのAPI経由のサンプル。
90個の値、睡眠5分ごとに1つ
失われるもの:各値が夜のどの時点のものか。
-
夜ごとの概要
1夜または1日に1つの数字。アプリが表示するものです。
同じ機器での以前の夜と比べて、数週間にわたる自分の傾向を追えます。
例: WHOOPとOuraのCSV書き出し、PolarのNightly RechargeはAPI経由。
昨夜:47.5ms、上の値の平均
3つのパネルが上下に並んでいます。1つ目は拍ごと:1分間の69個の拍の間隔を示す棒グラフで、RMSSDは33msです。2つ目は測定ごと:90個の点で、夜のあいだ睡眠5分ごとにHRVの値が1つあります。3つ目は夜ごとの概要:14本の棒で、1夜に1本です。最後の棒の47.5msは、上の点の平均です。パネルの間のメモは、失われるものを示しています。まず拍そのもの、次に各値が夜のどの時点のものかです。
拍ごと。 RR間隔とは、二つの心拍の間の時間で、単位はミリ秒です。RR間隔のファイルには、あらゆるHRV指標の元になるデータが入っています。欧州心臓病学会と北米ペーシング・電気生理学会のタスクフォース(Task Force、1996)によると、 RMSSD RMSSD 隣接するNN間隔の差の二乗平均平方根。1拍ごとの心拍間隔が次の拍とどれだけ違うかをミリ秒で表すHRV指標で、主に迷走神経の活動を反映します。 RMSSDについてさらに詳しく 、 SDNN SDNN 記録に含まれるすべてのNN間隔の標準偏差で、単位はミリ秒です。全体の変動を表し、値は記録時間に強く左右されます。 SDNNについてさらに詳しく 、周波数領域の指標は、どれもこの間隔から計算されます。拍があれば、指標も解析ウィンドウも自分で選べ、余分な拍や拍の欠落をどう取り除くかも自分で決められ、二つの機器を同じ条件で比べられます。
測定ごと。 各行は、機器がすでに計算したHRV値です。たとえばApple WatchのSDNNの測定値や、リングの5分ごとのRMSSDのサンプルがこれにあたります。一晩のあいだにHRVがどう動いたかはわかりますが、計算し直すことはできず、メーカーの統計量をそのまま使うことになります。SDNNとRMSSDは測るものが違うため、一方をもう一方に換算することはできません(SDNNをRMSSDに換算できる?)。
夜ごとの集計値。 一晩または一日につき一つの数値で、多くの場合、アプリに表示される数値です。各夜を同じ機器のそれ以前の夜とだけ比べるかぎり、表計算ソフトで推移を追うにはこれで足ります。
書き出しファイルの多くには、二つ以上の深さが入っています。Appleのファイルには測定値と、その中に拍があります。Polarの開発者向けAPIは、4時間の夜間平均と、5分ごとのHRVサンプルを渡します。
各プラットフォームの書き出しファイルに入っているもの
各書き出しに含まれるもの
メーカーのページより、2026年10月22日
| プラットフォーム | 拍 | 測定値 | 夜ごと | ファイル | RRコンバーター |
|---|---|---|---|---|---|
| Apple Health Apple WatchのHRV測定値(SDNN)ごとに、使われた各拍の時刻が載っています。 | 書き出しに含まれる | 書き出しに含まれる | 書き出しに含まれない | XML | 読み込める |
| Garmin Connect Log HRVをオンにしたアクティビティのFITファイルに拍が入ります。日ごとのウェルネスファイルにはHRVが含まれますが、その細かさはGarminが明記していません。 | 設定またはセンサーが必要 | メーカーは明記していない | メーカーは明記していない | FIT, CSV | 拍があれば読み込める |
| Oura 夜のHRVと5分ごとのサンプルが、書き出しが準拠するOura APIのデータモデルに含まれます。APIにはメンバーシップが必要です。 | 書き出しに含まれない | 書き出しに含まれる | 書き出しに含まれる | CSV, JSON | 拍なしと表示 |
| WHOOP 睡眠から次の睡眠までの1サイクルにつきHRV値が1つ、Physiological Cyclesファイルにあります。 | 書き出しに含まれない | 書き出しに含まれない | 書き出しに含まれる | CSV | 拍なしと表示 |
| Polar Flow Polarの心電図ストラップで記録した時計のセッションのRRファイル。Nightly Rechargeの値はAPI経由です。 | 設定またはセンサーが必要 | 開発者向けAPI経由 | 開発者向けAPI経由 | CSV, FIT, TCX, JSON | 拍があれば読み込める |
| Google Health (Fitbit) Takeout:Googleが例として挙げるのはアクティビティ、運動、睡眠、心拍数で、HRVは挙げていません。日ごととサンプルごとのHRVはAPI経由です。 | 書き出しに含まれない | 開発者向けAPI経由 | 開発者向けAPI経由 | Takeout | 拍なしと表示 |
| Samsung Health 「Download personal data」。Samsungはファイルを一覧にしていません。 | メーカーは明記していない | メーカーは明記していない | メーカーは明記していない | 明記なし | 開けない |
| COROS アクティビティはFITまたはTCX。日ごとと睡眠のデータは依頼により提供され、HRVの記載はありません。 | メーカーは明記していない | メーカーは明記していない | メーカーは明記していない | FIT, TCX | 拍があれば読み込める |
| Suunto ワークアウトはFITまたはGPX。拍の間隔への言及はありません。 | メーカーは明記していない | メーカーは明記していない | メーカーは明記していない | FIT, GPX | 拍があれば読み込める |
| Withings CSV書き出し。HRVは一覧にありません。HRVはApple Healthへ送れます。 | 書き出しに含まれない | 書き出しに含まれない | 書き出しに含まれない | CSV | 開けない |
| Elite HRV · Welltory · Polar Sensor Logger RRの書き出し:測定ごと、または時間範囲ごとに拍のファイルが1つ。 | 書き出しに含まれる | 書き出しに含まれない | 書き出しに含まれない | TXT, CSV | 読み込める |
プラットフォームと3段階のHRVデータ(拍、測定値、夜ごとの値)を比べた表です。 Apple Health:拍は書き出しに含まれる、測定値は書き出しに含まれる、夜ごとは書き出しに含まれない。ファイル:XML。RRコンバーター:読み込める。Apple WatchのHRV測定値(SDNN)ごとに、使われた各拍の時刻が載っています。 Garmin Connect:拍は設定またはセンサーが必要、測定値はメーカーは明記していない、夜ごとはメーカーは明記していない。ファイル:FIT, CSV。RRコンバーター:拍があれば読み込める。Log HRVをオンにしたアクティビティのFITファイルに拍が入ります。日ごとのウェルネスファイルにはHRVが含まれますが、その細かさはGarminが明記していません。 Oura:拍は書き出しに含まれない、測定値は書き出しに含まれる、夜ごとは書き出しに含まれる。ファイル:CSV, JSON。RRコンバーター:拍なしと表示。夜のHRVと5分ごとのサンプルが、書き出しが準拠するOura APIのデータモデルに含まれます。APIにはメンバーシップが必要です。 WHOOP:拍は書き出しに含まれない、測定値は書き出しに含まれない、夜ごとは書き出しに含まれる。ファイル:CSV。RRコンバーター:拍なしと表示。睡眠から次の睡眠までの1サイクルにつきHRV値が1つ、Physiological Cyclesファイルにあります。 Polar Flow:拍は設定またはセンサーが必要、測定値は開発者向けAPI経由、夜ごとは開発者向けAPI経由。ファイル:CSV, FIT, TCX, JSON。RRコンバーター:拍があれば読み込める。Polarの心電図ストラップで記録した時計のセッションのRRファイル。Nightly Rechargeの値はAPI経由です。 Google Health (Fitbit):拍は書き出しに含まれない、測定値は開発者向けAPI経由、夜ごとは開発者向けAPI経由。ファイル:Takeout。RRコンバーター:拍なしと表示。Takeout:Googleが例として挙げるのはアクティビティ、運動、睡眠、心拍数で、HRVは挙げていません。日ごととサンプルごとのHRVはAPI経由です。 Samsung Health:拍はメーカーは明記していない、測定値はメーカーは明記していない、夜ごとはメーカーは明記していない。ファイル:明記なし。RRコンバーター:開けない。「Download personal data」。Samsungはファイルを一覧にしていません。 COROS:拍はメーカーは明記していない、測定値はメーカーは明記していない、夜ごとはメーカーは明記していない。ファイル:FIT, TCX。RRコンバーター:拍があれば読み込める。アクティビティはFITまたはTCX。日ごとと睡眠のデータは依頼により提供され、HRVの記載はありません。 Suunto:拍はメーカーは明記していない、測定値はメーカーは明記していない、夜ごとはメーカーは明記していない。ファイル:FIT, GPX。RRコンバーター:拍があれば読み込める。ワークアウトはFITまたはGPX。拍の間隔への言及はありません。 Withings:拍は書き出しに含まれない、測定値は書き出しに含まれない、夜ごとは書き出しに含まれない。ファイル:CSV。RRコンバーター:開けない。CSV書き出し。HRVは一覧にありません。HRVはApple Healthへ送れます。 Elite HRV · Welltory · Polar Sensor Logger:拍は書き出しに含まれる、測定値は書き出しに含まれない、夜ごとは書き出しに含まれない。ファイル:TXT, CSV。RRコンバーター:読み込める。RRの書き出し:測定ごと、または時間範囲ごとに拍のファイルが1つ。
以降の節で、すべてのセルについて手順と出典を示します。最後の列は、このサイトのRRコンバーターがそのファイルをどう扱うかです。詳しくは書き出したHRVデータの使い方で説明します。
Appleの「ヘルスケア」からHRVを書き出す方法
iPhoneで「ヘルスケア」Appを開き、「サマリー」をタップし、写真またはイニシャルをタップして「すべてのヘルスケアデータを書き出す」をタップし、ファイルの共有方法を選んでください(Apple, iPhone User Guide)。Appleは、ヘルスケアとフィットネスのデータすべてをXMLで書き出します。保存したものがZIPアーカイブなら、展開してください。必要なファイルはexport.xmlです。
ファイルに入っているもの:
- 測定値。 iPhoneのヘルスデータベースであるHealthKitは、Apple WatchのHRVを、正常な拍と拍の間隔の標準偏差であるSDNNとして保存します。Appleの開発者向けドキュメント(英語)によると、「Apple Watchでは、システムが自動的にサンプルを記録します」(Apple, HealthKit)。測定値は一件ずつのレコードで、時刻とミリ秒単位の値を持っています。
- 拍。 Appleは
export.xmlの構成を公開していません。私たちが読んだ書き出しファイルでは、Apple WatchのHRVの各レコードに、その測定値に含まれる拍すべての時刻が、InstantaneousBeatsPerMinuteという名前のエントリーとして並んでいました。その時刻どうしの差がRR間隔です。HealthKitには、拍ごとの時刻を保持し、拍が抜けている可能性がある途切れに印をつける、ハートビート系列という型もあります(Apple, HealthKit)。書き出しファイルにこのレコードがあれば、コンバーターはそれも読み込みます。 - 夜ごとの値はありません。 HealthKitでHRVを表す数量の型はSDNNと、新しく加わったRMSSDで、日ごとのHRVの型はありません(Apple, HealthKit)。ほかのアプリも「ヘルスケア」にHRVを書き込めるため、値を並べて比べる前に、各レコードがどのアプリから来たものかを確認してください。
時計が測定値を取るタイミングと、ほかの機器より低い値になる理由は、Apple WatchのHRV:「ヘルスケア」の数値で説明しています。
Garmin ConnectからHRVデータを書き出す方法
GarminはHRVを二つの別々の場所に保存しており、それぞれに書き出しの方法があります(Garmin Support)。メニュー名は、出典のGarminのページ(英語)の表記です。
- アクティビティの拍。 Garmin ConnectのWebサイトで「Activities」、「All Activities」の順に選び、アクティビティを開いて歯車アイコンを選び、「Export File」を選んでください。Garminによると、ファイルは「デバイスの元のファイル形式(通常は.fitファイル)」で届きます。拍の間隔が入るのは、時計がそれを記録していた場合だけです。Garminの取扱説明書(英語)によると、「Log HRV」(HRVの記録)の設定は「アクティビティ中の心拍変動を時計が記録できるようにする」ものです(Garmin, fēnix E owner’s manual)。fēnix Eでは、時計の設定、システム、詳細設定、データ記録の順にたどった先にあり、Edgeのサイクルコンピューターでは、システム、データ記録の中にあります(Garmin, Edge 1030 owner’s manual)。メニューは機種によって違うため、取扱説明書で「Log HRV」にあたる項目を探し、記録したいアクティビティの前にオンにしてください。
- ウェルネスファイルの夜間HRV。 Webサイトでプロフィールのアイコン、「Account Settings」、「Account information」の順に選び、画面の下で日付を選んで「Export」を選んでください。その日のウェルネスファイルが、元のFITファイルのままZIPで届き、Garminによると、これには「歩数、睡眠、ストレス、HRVなど」が含まれます。ただし、その中のHRVが夜間の値なのか、その元になった測定値なのか、両方なのかを、Garminは明らかにしていません。
- アカウント全体。 Garmin Account Data Managementで「Export Your Data」、「Request Data Export」の順に選んでください。Garminはダウンロード用のリンクをメールで送ります。「通常は」48時間以内ですが、最長30日かかることがあります。アクティビティは、
DI_CONNECTフォルダーの中にFITファイルとして入っています。
レポートとアクティビティの一覧も、表計算ソフト向けの集計としてCSVで書き出せます。ただしGarminのページは、どちらについてもHRVに触れていません。夜間の数値が何なのか、「HRVステータス」がそれをどう使うのかは、Garminの「HRVステータス」:時計が測るもので説明しています。
Ouraのデータを書き出す方法(CSVとAPI)
CSVでの書き出し。 Membership Hubにログインし、「Export data」、「Request your data」の順に選んでください。最長10日かかることがあり、書き出しの準備ができるとOuraがメールで知らせるので、Membership Hubからダウンロードします。メンバーシップが有効でも無効でも利用でき、ファイルはCSVです(Oura Member Care)。Ouraによると、そのデータモデルはAPIのドキュメントに記載されており、ファイルに記録された時間の長さは、時間と分ではなく秒で表されています(Oura Member Care)。
API。 OuraのAPIには、有効なメンバーシップが必要です(Oura Member Care, membership)。2025年12月に個人用アクセストークンが廃止されてからは、自分のアカウントにサインインするアプリを通して利用します(Oura API)。睡眠ごとのデータモデルには、平均HRVと、サンプル間の間隔を添えたHRVサンプルのオブジェクトがあります(Oura API)。Ouraのヘルプページ(英語)によると、夜ごとの値は「眠っているあいだに取った五分ごとのサンプルすべての平均」です(Oura Member Care, HRV)。
どちらの経路でも、拍は手に入りません。OuraのAPIドキュメントのデータモデルに、一拍ごとの間隔を持つものはありません。夜ごとの数値が何を測っているかは、OuraのHRV:リングが測るものとタイミングで説明しています。
WHOOPのデータを書き出す方法
WHOOPアプリでナビゲーションバーの「More」アイコンをタップし、続いて「Data Export」(iPhoneでは先に「App Settings」)をタップし、メールアドレスを確認して「Create Export」を選んでください。WHOOPは24時間以内にリンクをメールで送り、リンクは7日後に失効します(WHOOP Support)。
届くのは、複数のCSVファイルです。「Physiological Cycles」には、サイクルごとの「Recovery」(回復度)、 安静時心拍数 安静時心拍数 完全に安静にしているときの、毎分の心拍数。成人では通常、毎分60〜100拍で、よく鍛えた選手ではそれより低くなります。 安静時心拍数についてさらに詳しく 、HRVが、ストレイン(負荷)や睡眠の時刻などとともに入っています。残りは「Sleeps」「Workouts」「Journal Entries」にあります。WHOOPの開発者向けAPIは、各「Recovery」に、ミリ秒単位のRMSSDとしてHRVを添えて渡します(WHOOP for Developers)。どちらにも、拍の間隔は入っていません。値が夜のどの部分から取られるかは、WHOOPのHRV:数値の意味で説明しています。
Polar FlowからRR間隔を書き出す方法
Polarは、RR間隔の書き出しと、ほかに三つの経路を案内しています。
- 練習セッションのRR間隔。 Polarのサポートページ(英語)によると、「 心電図 心電図 皮膚に付けた電極で記録する、心臓の電気的な活動の記録。心電図に基づくRR間隔は、HRVを測るうえでの参照基準です。 心電図についてさらに詳しく (ECG)の心拍センサーで記録した練習セッションには、ダウンロードできるRR間隔のデータがあります」。FlowのWebサイトで、セッションの「Training analysis」ページからCSVとして書き出します(Polar Support, RR data export)。Polarが挙げている時計はIgnite、Pacer、Unite、Vantage、Grit X、Street Xの各シリーズで、ストラップはH10とH9です。セッションをPolar FlowアプリかBeatアプリで記録した場合(心電図ストラップを使っていても)、H10自身のメモリーに記録してBeatで処理した場合、光学センサーで心拍数を取った場合には、RRファイルはありません。
- セッションのファイル。 FlowのWebサイトで「Diary」からセッションを開き、右上の「Export」メニューからTCX、CSV、FIT、GPX、またはそれらをまとめたZIPを選んでください(Polar Support, session export)。Polarがこれらのファイルについて挙げているのは、心拍数、カロリー、ケイデンスのデータで、RR間隔は挙げていません。
- アカウント内のすべて。 account.polar.comで「Download your data」を選んでください。準備ができるとPolarがメールで知らせ、そこから二週間以内にダウンロードできます。Polarによると、データからPolarのアルゴリズムが導き出したものは含まれず、その例としてアクティビティと睡眠の情報が挙げられています(Polar Support, download all your data)。
- AccessLink API。 登録済みのPolar Flowユーザーなら、だれでもAPIクライアントを作れます。夜ごとに、入眠の30分後から4時間で平均したRMSSDと、5分ごとのHRVサンプルが手に入ります。H6、H7、H9、H10のいずれかのストラップで行った練習セッションではRR間隔のサンプルが手に入りますが、対象は、直近30日以内にアップロードされ、かつクライアントをアカウントに連携したあとのセッションだけです(Polar AccessLink)。
Polarの時計なしで使うH10は、心拍数とRR間隔を、ペアリングしたアプリに送ります。PolarのSDKドキュメントでは、H10自身のメモリーへの記録について、一秒に一回の心拍数が挙げられ、RR間隔は挙げられていません(Polar, H10 SDK)。そのため、拍を残したいときは、RR間隔を書き出せる胸部ストラップアプリのように、拍を保存するアプリを使ってください。Nightly Rechargeと起立テスト(Orthostatic test)については、PolarのHRVとNightly Rechargeで説明しています。
FitbitとGoogle Healthのデータを書き出す方法
Fitbitのアカウントは、今はGoogleアカウントの中にあります。2026年5月19日以降、Fitbitのログインでは、Fitbitを使えなくなりました。移行していないアカウントについて、Googleは2026年7月15日を、データの削除処理を始める日としていました。それ以降に何が削除されたかは、そのページには書かれていません(Google Health Help, moving your account)。
書き出すには、Googleのデータをダウンロードするしくみ、Googleデータエクスポート(Google Takeout)で、「Google Health」を選んでください(Google Health Help, export)。Googleの書き出しのページは「アクティビティ、運動、睡眠、心拍数」を例として挙げており、HRVには触れていません。GPSを使ったワークアウトは、Google HealthアプリのFitnessタブから、一件ずつTCXファイルとして書き出すこともできます。
アプリ向けには、Google Health APIに、日ごとのHRVの型とHRVサンプルの型があり、どちらもミリ秒単位のRMSSDです(Google for Developers, vitals)。データ型の一覧に、一拍ごとの間隔はありません(Google for Developers, data types)。以前のFitbit Web APIは、その夜のRMSSDと5分ごとの値を渡していました。Fitbitの開発者向けサイトは2026年10月30日に「停止される」としており、Google Health APIのリファレンスは2026年11月2日としています(Fitbit Developer、Google for Developers, Health API reference)。値がどの睡眠のものかは、FitbitとPixel WatchのHRV:しくみで説明しています。
Samsung Health、COROS、Suunto、Withings
Samsung Health
Samsung Healthで「More options」(三つの点)、「Settings」、「Download personal data」、「Download」の順にタップし、Samsungアカウントにサインインしてください。ファイルは「マイファイル」の「ダウンロード」の中の、Samsung Healthフォルダーに保存されます(Samsung Support)。どのファイルが手に入るのか、その中にHRVがあるのかを、Samsungは載せていません。各機器が何を測るかは、Galaxy WatchのHRV:何を測るのかとGalaxy RingのHRVとEnergy Scoreを参照してください。
COROS
ワークアウトは、パソコンのTraining Hubからまとめて書き出せます。「Activity List」を開き、「Export Data」を選び、FITかTCXを選んでメールアドレスを入力してください。睡眠と日ごとのデータは、依頼して受け取ります。COROSアプリでプロフィールのページ、「Customer Support」、「Contact Support」の順に進み、希望する期間を伝えてください(COROS Help Center)。この経路でCOROSが挙げているのは、日ごとの指標、睡眠、心拍数で、HRVではありません。FITファイルに拍の間隔が入っているかどうかも、明らかにしていません。詳しくはCOROSの夜間HRVとWellness Checkを参照してください。
Suunto
Suuntoアプリでワークアウトを開き、右上の三つの点をタップして、FITかGPXを選んでください。Suuntoのサポートページ(英語)によると、FITファイルには「位置、時刻、タイムスタンプ、心拍数、パワー、ケイデンスなど」が入ります(Suunto Support)。拍の間隔や夜間のHRVには触れていません。詳しくはSuuntoのHRV:ステータス、Recovery、精度を参照してください。
Withings
Withingsアプリでプロフィールを開き、設定アイコンをタップして「Export All Health Data」を選び、ユーザープロフィールを選んで「Start my archive」をタップしてください。CSVファイルがメールで届きます(Withings Support, exporting your data)。Withingsが書き出すデータの一覧に、HRVはありません。HRVがあるのは、WithingsがAppleの「ヘルスケア」と共有するデータの一覧で、2026年10月13日以降に開設したアカウントは、Appleの「ヘルスケア」やHealth Connectにデータを送るのにWithings+のサブスクリプションが必要です(Withings Support, Apple Health)。詳しくはWithingsのHRV:時計・睡眠パッド・精度を参照してください。
HRVがアプリの中にとどまるリングと時計
一部の機器については、HRVをファイルとして書き出す方法が、メーカーのページに見つかりませんでした。iPhoneなら、Appleの「ヘルスケア」が取り出す手段になることがあります。
- Ultrahumanは、連携をオンにすると、Appleの「ヘルスケア」にHRVを書き込みます(Ultrahuman Blog)。開発者向けドキュメントには、自分のアカウントの日ごとの指標(HRVを含む)を、1回のリクエストで最大7日分読み出せる個人用APIトークンもあります。ダウンロードではなく、プログラムを書く人向けの方法です(Ultrahuman, UltraSignal API)。
- Amazfitは、2026年7月のアップデートOTA 3で、Balance 3に「Appleの『ヘルスケア』へのHRVデータの同期のサポート」を加えました(Amazfit, Balance 3)。
- RingConnは、HRVがHealth Connectに同期されないと述べており、その理由を「アルゴリズムの互換性の問題」としています(RingConn)。
この方法でAppleの「ヘルスケア」に届く値は測定値で、その書き出しファイルに入っているのはアプリが書き込んだ値であり、拍ではありません。UltrahumanとAmazfitはどの統計量を書き込むのかを明らかにしていないため、Apple WatchのSDNNとは分けて扱ってください。Ultrahuman、Amazfit、RingConnも参照してください。
RR間隔を書き出せる胸部ストラップアプリ
Polar H10のような胸部ストラップはBluetoothでRR間隔を送り、それをファイルに保存するアプリがいくつかあります。
- Elite HRV。 アプリの設定(右上)を開くと、データの書き出しは「Set reading reminders」の下にあります。Elite HRVは、数時間で失効する専用のリンクをメールで送ります。ダウンロードされるのは、これまでに取った測定のすべてで、測定一回が一つのテキストファイルになり、ファイル名は日付と時刻で、一行に一つのRR間隔が入っています。あるのは測定の開始時刻だけで、拍ごとの時刻はありません(Elite HRV Knowledge Base)。
- Welltory。 WelltoryのWebアプリにサインインし、「Dashboard」を開き、グラフと期間を選んで、「Download raw RR-intervals」を選んでください(Welltory Help Center)。
- Polar Sensor Logger。 H10から心拍数、 RR間隔 RR間隔 一つの拍動から次の拍動までの時間で、心電図(ECG)のR波の間をミリ秒で測ります。心拍変動(HRV)は、この間隔の系列から計算します。 RR間隔についてさらに詳しく 、心電図を(H7かH9からは心拍数とRR間隔を)スマートフォン上のファイルに保存するAndroidアプリで、ファイルはメールやGoogle Driveで共有できます。開発者は、Polarの公式アプリではないと明記しています(Google Play)。
RRコンバーターは、Kubios HRV向けに書かれたRRのテキストファイルも読み込みます。HRV4TrainingについてはRRの書き出しを説明した資料が見つからなかったため、手順はここには載せていません。そもそもきれいな記録を取る方法は、胸部ストラップのHRV測定と、起こりうる問題で説明しています。
書き出しボタンがない?コピーを請求する
サービスに書き出しの機能がない場合や、欲しいデータが書き出しに含まれない場合は、データ保護法に基づいて、企業に個人データのコピーを請求できます。EUでは、アクセス権によってコピーを受け取る権利があり、最初の一部は無料です(European Commission)。英国では、組織が本人からの開示請求(subject access request)に答える期限は、通常は一か月です(ICO)。何をどう請求するかは、ガイドウェアラブルデータの権利:全データのコピーを入手する方法で説明しています。ツールデータ開示請求文を使うと、回答をもとに請求の手紙を作れます。
書き出したHRVデータの使い方
拍があるファイル:RRコンバーターとHRVアナライザー
RRコンバーターは、書き出したファイルを、RR間隔だけを並べた一覧に変換します。読み込めるのは次のものです。
- Appleの「ヘルスケア」の
export.xml(分割して読み込むため、大きな書き出しファイルも扱えます) - Garmin、Wahoo、COROS、Suuntoなどの、拍の間隔が入ったFITのアクティビティファイル
- Polar FlowのRRファイルと、Polar Sensor Loggerのファイル
- Movesense Showcaseの書き出しファイル、およびElite HRV、Welltory、KubiosのRRファイル
- RR間隔を並べただけの一覧や表
ZIPアーカイブは開けないため、先に展開してください。記録ごとに、日付、長さ、拍の数、アーチファクトの可能性がある拍の割合を表示します。300〜2,000 msの範囲外にある間隔と、その周囲の拍の中央値から25%を超えて離れた間隔に印をつけますが、間隔そのものは変えません。拍は、CSV、Kubios形式のテキスト、または要約つきのZIPでダウンロードできます。Oura、WHOOP、Fitbitのファイルをドロップすると、そのファイルには拍ではなくHRV値が入っていると表示されます。
HRVアナライザーは、同じファイルを、フォルダーから、またはZIPの中から、一度に多数読み込みます。記録一回につき最大50,000間隔、約12時間分までです。アーチファクトに見える拍に印をつけて補正し、RMSSD、SDNN、平均心拍数を求めます。研究モードなら、すべての指標を求めます。アーチファクトの原因と補正のしくみは、アーチファクトと余分な拍:HRVがずれる理由で説明しています。
どちらのツールも、ブラウザ上で動きます。ファイルは端末の中で読み込まれ、私たちには何も送られません。ファイル名さえ送られません。
測定値や夜ごとの値のファイル:表計算ソフト
CSVを表計算ソフトで開き、HRVを日付順にグラフにしてください。グラフが実態からずれないように、次の点を守ってください。
- 同じ条件どうしで比べてください。 機器は一つ、統計量も一つ、測る時間帯も同じにします。Apple WatchのSDNNの測定値、WHOOPの「Recovery」のHRV、Polarの4時間平均は、同じ夜のものでも別の数値です。各メーカーが何を報告しているかは、Oura・WHOOP・Garmin・AppleのHRVに載せています。
- アプリの数値を作り直さないでください。 一晩の測定値を自分で平均すると、メーカーが夜の一部しか使わない場合や、先に測定値をふるいにかけている場合には、アプリとは違う数値になります。
- 系列の途切れに気をつけてください。 新しい機器、装着位置の変更、ソフトウェア更新で、数値がずれることがあります(ソフトウェア更新でHRVは変わる?)。その日付に印をつけ、それ以降は新しい系列として扱ってください。
- 一夜ではなく推移を読んでください。 自分のいつもの範囲と並べた7日間の平均からは、どの一つの値よりも多くのことがわかります。やり方はHRVのベースラインをつくり、推移を読むで紹介しています。
書き出しファイルは数値の記録であり、診断ではありません。データに気になる点があれば、症状とあわせて医師に相談してください。