心拍変動(HRV)の数値はすべて、ある連鎖の終点です。センサーが信号を記録し、クロックがそれをサンプリングし、ソフトウェアが一拍ごとの位置を見つけ、補正の段階が正常でない拍を取り除きます。残ったものがNN系列で、すべての指標はそこから計算されます。段階ごとに固有の誤差が加わり、各段階でどんな選択をしたかによって、同じ記録について二つのプログラムの結果が食い違う理由も説明できます。
レベル1〜3では、この連鎖の大半をブラックボックスとして扱いました。このレベルでは、その中を開きます。例題には教材用の記録を使います。安静時の拍を五分間記録したもので、間隔は341個、平均は881 ms(1分あたり68拍)、RMSSDは33.4 ms、SDNNは28.7 msです。同じ記録を、レッスン17〜19でも使います。
第1段階:信号(電気か光か)
心電図 心電図 皮膚に付けた電極で記録する、心臓の電気的な活動の記録。心電図に基づくRR間隔は、HRVを測るうえでの参照基準です。 心電図についてさらに詳しく (ECG)は、皮膚の上の電極のあいだの電圧を記録します。拍ごとに鋭いスパイクが出ます。これがR波で、その頂点がはっきりした時刻の目印になります。胸部ストラップは電極が二つの心電図で、拍の検出もストラップの中で行います。
背の高いスパイク(R波のピーク)が4つある心電図の波形です。スパイクの間隔は0.98、1.06、0.95秒と示されており、同じ長さの間隔は2つとありません。
光電式容積脈波 PPG 皮膚に光を当て、心拍ごとの血液の拍動を検出する光学的な方法。ほとんどの時計、リング、スマートフォンのカメラアプリが、これで心拍変動(HRV)を推定します。 PPGについてさらに詳しく (PPG)のセンサーは、時計やリング、スマートフォンのカメラにある緑色や赤色の光で、皮膚の下の血液が吸収する光の量を測ります。拍動のたびに圧力の波が動脈を伝わり、センサーはそれを、拍よりあとに届く幅の広い山として捉えます。山には鋭い縁がなく、拍から山までの遅れは、血管の硬さ、姿勢、温度で変わります。そのため、二つの脈の間隔は、二つの拍の間隔とぴったり同じではありません。2024年のPsychophysiologyのガイドラインは、PPGのSN比は心電図よりずっと低く、一致の度合いは安静時には「良好から許容範囲」、体を動かすと低下し、機器によって異なると述べています(Quigleyら, 2024)。得られるのは脈拍変動( PRV 脈拍変動(PRV) 脈拍と脈拍の間隔の変動を、時計、リング、スマートフォンのカメラが光学的に測ったもの。安静時は心拍変動(HRV)によく追従しますが、動いているときはずれていきます。 脈拍変動(PRV)についてさらに詳しく )で、HRVにごく近い指標です。波の形、センサー、うまくいかない原因については、PPG:時計はどう脈を読むかで説明しています。
- 収縮期ピーク
- 重複切痕
- 拡張期ピーク
- 脈と脈の間隔(収縮期ピークから次の収縮期ピークまで)
脈が2つ並んだなめらかな波です。どちらの脈も、急に立ち上がって収縮期ピークに達し、重複切痕という小さなくぼみまで下がり、再び上がって低めの拡張期ピークを作り、ベースラインに戻ります。2つの収縮期ピークの間隔は1.00秒と示されています。
第2段階:クロック
デジタルの記録装置は、信号を一定の速さで読み取ります。この速さがサンプリング周波数で、単位は1秒あたりのサンプル数(Hz)です。二つのサンプルのあいだのことは何もわからないので、ピークの位置はサンプルの格子の上にしか置けません。一拍のタイミング誤差は、サンプル間隔のおよそ半分です。
式の読み方:1秒をサンプリング周波数で割ったものがサンプル間隔で、その半分が、本当のピークが最も近いサンプルからずれうる大きさです。1000 Hzなら±0.5 ms、250 Hzなら±2 msです。間隔には両端があるので、誤差は間隔一つ分まで大きくなることがあります。Quigleyら(2024、セクション3.1)は、R波の検出精度としてこの間隔一つ分の値(1000 Hzで±1 ms、250 Hzで±4 ms)という慎重な値を挙げ、1000 Hzを勧めています。欧州心臓病学会と北米ペーシング・電気生理学会のタスクフォース(Task Force、1996)の数値の伝え方は、文献によって違います。Cataiら(2020)はそれを引用して250〜500 Hzを理想的な範囲とし、Peltola(2012)は少なくとも500〜1000 Hzと読み取っています。Labordeら(2017)は少なくとも125 Hzを勧め、呼吸による揺れが小さいときには500 Hzを控えめな下限としています。また、サンプルとサンプルのあいだでピークを補間すれば、周波数をさらに下げられるとも述べています。
誤差が問題になるかどうかは、それが隠す変動の大きさとの比で決まります。教材用の記録の各拍を、だんだん粗くなるクロックの最も近い刻みに合わせたものが、次の表です。下のインタラクティブなグラフと同じモデルです。
| クロック | 刻み(ms) | RMSSD RMSSD 隣接するNN間隔の差の二乗平均平方根。1拍ごとの心拍間隔が次の拍とどれだけ違うかをミリ秒で表すHRV指標で、主に迷走神経の活動を反映します。 RMSSDについてさらに詳しく (ms) | SDNN SDNN 記録に含まれるすべてのNN間隔の標準偏差で、単位はミリ秒です。全体の変動を表し、値は記録時間に強く左右されます。 SDNNについてさらに詳しく (ms) |
|---|---|---|---|
| 心電図、1000 Hz | 1 | 33.4 | 28.7 |
| 心電図、250 Hz | 4 | 33.5 | 28.7 |
| レコーダー、125 Hz | 8 | 34.2 | 29.1 |
| カメラ、25フレーム | 40 | 43.7 | 32.9 |
最後の行は、1秒あたり25フレームのスマートフォンのカメラで、フレームのあいだの補間はありません。RMSSDが33.4 msのとき、4 msの刻みではほとんど何も変わりません。40 msの刻みでは、RMSSDが31%上がります。どの間隔にも両端の拍の丸め誤差が入り、RMSSDはその偽の跳びを数えてしまうからです。偽の跳びの大きさは、誰を測っても同じです。そのため、変動の小さい静かな心臓で最も大きく響きます。記録の揺れをすべて三分の一にして、本当のRMSSDを11.1 msにすると、同じカメラの値は28.3 msになります。カメラや時計のアプリが、生のフレーム時刻をそのまま使わずにフレームのあいだでピークを補間するのは、このためです。インタラクティブなグラフで「脈波(幅が広い)」に切り替え、「サンプル間を補間して、各拍の時刻を精密にする」をオンにすると、どれだけ取り戻せるかがわかります。
各拍の時刻をどれだけ細かく測るか
教材用の記録(再サンプリング済み)
- 時間分解能
- ±0.5 ms
- RMSSD(測定値)
- 33.4 ms
- RMSSD(真の値)
- 33.4 ms
- SDNN
- 28.7 ms
- pNN50
- 8.2 %
1000 Hzでは、各拍の時刻が1ミリ秒単位まで測られます。RMSSDは真の値と一致します。
JavaScriptをオンにすると操作できます。
教材用の記録の最初の60秒間の拍と拍の間隔を示す折れ線で、真の時刻を破線、デバイスが測った時刻を実線で示しています。表示欄には、時間分解能(ミリ秒)、測定したRMSSDと真のRMSSD、SDNN、pNN50が表示されます。スライダーでサンプリング周波数を1000〜25 Hzの範囲で設定でき、2つのラジオボタンで、幅の狭いECGのスパイクか幅の広い脈波かを選べます。チェックボックスで、サンプル間の補間をオンにできます。1000 Hzでは数値が一致します。25 Hzで補間なしの場合、RMSSDは約3分の1高く出ます。
第3段階:一拍ごとの位置を見つける
検出ソフトウェアは、拍ごとに一つの点を決めます。心電図では、R波の頂点です。高さと傾きについてのルールで見つけ、そのまわりのサンプルに曲線を当てはめて精密にするので、時刻はサンプルのあいだにも置けます。PPGでは、波の立ち上がりの根元、ピーク、最も急な立ち上がりの点のどれかを選び、その選択で間隔が数ミリ秒変わります。
自動の検出のあとは、波形を目で見て確かめるべきだという点で、ガイドラインは一致しています。Quigleyら(2024)は検出のあとに「対話的な目視確認」を行うとしています。Labordeら(2017)は、ストラップや時計が報告する間隔に頼らず、心電図そのものを記録して拍を確かめられるようにすることを勧めています。一般向けの機器は、この段階を省きます。研究のプロトコルなら数値を信頼できるのに、時計ではそうはいかない理由の一つがこれです。
第4段階:補正(方法の名前とともに)
拍の系列では、三つのことがうまくいかなくなります。検出漏れがあると、一つの間隔が前後の間隔の約二倍の長さになります。余分な検出があると、一つの間隔が二つの短い間隔に分かれます。 期外収縮 異所性拍動 心臓の通常のペースメーカー以外の場所から始まり、たいてい早く来る拍動。よくあるものですが、取り除くか補正しない限り心拍変動(HRV)を乱します。 異所性拍動についてさらに詳しく (異所性拍動)は、ソフトウェアではなく心臓から生じるもので、短い間隔のあとに長い代償性の休止が続きます。指標はすべての間隔が正常な拍だと仮定しているので、この三つはどれも見つけて処理しなければなりません。それぞれが残す形と、背景にある日常的な原因は、アーチファクトと余分な拍:HRVがずれる理由で図にしています。
期外収縮が一回あると何が起こるかを見ます。教材用の記録の171番目の間隔は910 msで、次が877 msでした。この拍を間隔の60%で早く来させると546 msになり、次の間隔が残りを受け持って1241 msになります。合計の時間は変わりません。指標は変わります。
| 系列 | RMSSD(ms) | SDNN(ms) | pNN50(%) pNN50 隣り合うNN間隔の差が50ミリ秒を超える組の割合。RMSSDと同じく、迷走神経が生む速い変化を追いますが、大きさではなく割合で表します。 pNN50についてさらに詳しく |
|---|---|---|---|
| きれいな系列 | 33.4 | 28.7 | 8.2 |
| 期外収縮が一回 | 57.9 | 39.2 | 9.1 |
| 一組を削除 | 33.6 | 28.8 | 8.3 |
| 一組を補間 | 33.4 | 28.8 | 8.2 |
| 局所中央値ルール | 33.6 | 28.8 | 8.3 |
「一組を削除」は乱れた二つの間隔を除きます。「一組を補間」は二つとも前後の間隔の平均、909 msで置き換えます。局所中央値ルールは、このサイトの計算ツールが使うルールで、ここでは2個の間隔を除き、記録の0.6%に当たりました。341拍のうちの一拍で、RMSSDは四分の三上がりました。RMSSDは跳びを一つずつ二乗するので、695 msの跳びは、20 msや30 msの跳び数百個よりも大きく効くからです。Labordeら(2017)も、BerntsonとStowellから同じ教訓を引いています。一拍が違いを生む、というものです。これを処理する方法には名前があり、報告ではその名前を使うべきです。
削除は、悪い間隔を取り除いて隙間を詰めます。SDNNには許容できますが、隣り合っていなかった二つの間隔をつなぐため、隣接差にもとづく指標とスペクトルには偽の段差が見えます。Peltola(2012)は、削除が残す段差のような形と、それが加える偽のLF成分とHF成分を述べ、遅い帯域には向かないとしています。
補間は、悪い間隔を、前後の間隔から作った値で置き換えます。前後の平均(0次)、直線(線形)、周囲の点を通る滑らかな曲線(3次スプライン)のどれかです。拍の数とタイミングが保たれるので、スペクトルにはこちらが必要です。代わりに、補間はローパスフィルターのように働きます。補間した区間はどれも、本物の拍より滑らかになり、線形補間とスプライン補間はLFパワーとVLFパワーを上げると報告されています(Peltola, 2012)。同じレビューが引くSaloらは、RMSSDとpNN50には削除より補間を選びました。
しきい値ルールは、どの間隔を置き換えるかを決めます。Kubios HRVのしきい値補正は、各間隔を局所中央値と比べ、差が一定の量を超えたものに印をつけます。その量は、Kubiosの英語の設定名で「very low」なら0.45秒、「low」なら0.35秒、「medium」なら0.25秒、「strong」なら0.15秒、「very strong」なら0.05秒で、平均心拍数に合わせて調整されます。印をつけた間隔は、3次スプラインで埋めます(Kubios HRV User’s Guide, 2021)。設定が結果を左右するので、確認も必要です。Labordeら(2017)は、自動のしきい値補正が「very low」でも本物の拍をアーチファクトと判定し、迷走神経の指標を11%動かした記録を示し、自動補正だけに頼らず心電図を確かめることを勧めています。このサイトのHRV計算ツールは、範囲ルール(300〜2000 ms)と、前後の間隔の中央値から25%を超えてずれた間隔を除く局所中央値ルールを使います。上の表では、乱れた二つの間隔だけを捉え、ほかには何も除きませんでした。埋めずに除くのは、時間領域の指標を報告するツールのための選択で、スペクトルなら埋める処理が必要です。
自動の拍分類は、間隔そのものではなく、隣り合う間隔の差(dRR系列)を見ます。Kubiosの方法は、Premium版にあり、周囲90拍の四分位偏差に5.2をかけたものを拍ごとのしきい値とします。そのうえで、アーチファクトがdRR系列に作る形を探します。異所性拍動は負・正・負、または正・負・正のパターンになり、長い間隔は正・負、短い間隔は負・正になります。検出漏れと余分な拍は、間隔を周囲10個の中央値と比べて見つけます(Kubios HRV User’s Guide, 2021)。心房性と心室性の異所性拍動が実際にある記録では、公表されたアルゴリズムはその96.96%を検出し、特異度は99.94%でした。検出漏れと余分な拍をシミュレーションで加えた場合、補正後のHRV指標の誤差は2%未満で、最も小さいタイミングのずれでは8%弱まで大きくなりました(LipponenとTarvainen, 2019)。
このページには、しきい値ルールが二種類出てきます。名前を取り違えないでください。下のインタラクティブなグラフは固定のしきい値、つまりKubiosの「medium」のレベルを使います。前後十個の間隔の中央値から250 msを超えてずれた間隔に印をつけ、埋め方は選べます。上の表で使ったこのサイトの計算ツールは、比例のルールを使います。近い間隔の中央値から25%を超えてずれた間隔を除きます。教材用の記録では間隔が881 ms付近なので、25%は約220 msで、固定の250 msに近くなります。心拍数が速く間隔が短い場合は、比例のルールのほうが厳しくなります。
不良な拍を1つ補正する
教材用の記録(341個の間隔)
印を付けた間隔: 1 個中 341 個
| 指標 | きれい | 不良な拍あり | 補正後 |
|---|---|---|---|
| RMSSD (ms) | 33.4 | 70.2 | 70.2 |
| SDNN (ms) | 28.7 | 51.7 | 51.7 |
| pNN50 (%) | 8.2 | 8.8 | 8.8 |
| LFパワー (ms²) | 120 | 1241 | 1241 |
| HFパワー (ms²) | 635 | 2314 | 2314 |
見逃した拍があると、1つの間隔が前後の約2倍に長くなります。 そのまま残すと、RMSSDは33.4 msから70.2 msに上がり、真の値の2.1倍になります。SDNNの変化はそれより小さくなります。
JavaScriptをオンにするとボタンが使えます。
教材用の記録の最初の60秒間の拍と拍の間隔を示す折れ線で、仕込んだアーチファクトがスパイクとして現れ、印を付けた間隔に丸が付き、その上に補正後の線が重なっています。表には、きれいな記録、アーチファクトを残したままの記録、補正後の記録について、RMSSD、SDNN、pNN50、LFパワー、HFパワーと、印を付けた間隔の数が並びます。1つ目のボタン群では、見逃した拍、余分な拍、異所性拍動のいずれかを仕込むか、きれいな記録に戻せます。もう1つのボタン群では、補正方法(そのまま残す、削除、前後の平均、線形補間、3次スプライン)を選べます。見逃した拍をそのままにするとRMSSDはおよそ2倍になりますが、どの方法でも数%の差まで戻ります。
さらに詳しく どこまで編集すると多すぎるのか
合意された上限はありません。Peltola(2012)は、大半の研究者が正常な間隔が少なくとも80%あることを求めていること、公表された研究では拍の1〜30%と幅広く編集されていたこと、そして短い記録では、編集した間隔が5%に満たなくても、 HF HFパワー 心拍間隔の分散のうち、通常の呼吸の範囲である0.15〜0.40 Hzの帯域に入る部分で、単位はms²。呼吸が毎分9〜24回のとき、主に迷走神経活動を反映します。 HFパワーについてさらに詳しく 、 LF LFパワー 心拍間隔の分散のうち0.04〜0.15 Hzの帯域に入る部分で、単位はms²。7〜25秒ごとに繰り返すリズムです。かつては交感神経の活動と読まれましたが、現在は異論があります。 LFパワーについてさらに詳しく 、pNN50、RMSSDが測定できるほどずれることを報告しています。Quigleyら(2024)は、削除または置換した拍の数と、5秒を超える欠落を報告し、編集が1%を超えるときは必ずその影響を検証するよう求めています。Cataiら(2020)は、省略した拍と補間した拍の数を記すよう求めています。HRVで運動の閾値を探した研究では、参加者17人のうち二人が頻発する異所性拍動のため除外され、解析した区間のアーチファクトは0〜3%でした(Rogersら, 2021、レッスン19で引用)。実際の目安は、補正した拍が数%を超える記録は、ソフトウェアが何をしたかにかかわらず、疑いをもって読むことです。
第5段階:NN系列
補正を経て残るのは、正常な洞調律の拍どうしの間隔のリストで、NN系列と呼びます(Task Force, 1996)。「RR」ではなく「NN」と呼ぶのは、正常な洞調律の拍だけが残っているからです(Peltola, 2012)。アプリはこの二つの呼び名をゆるく使っていて、Kubiosは同じものをIBI(拍間隔)系列と呼びます。
このリストには、以降のすべてを左右する二つの性質があります。一つ目は、時間ではなく拍の順番で並んでいることです。100番目の間隔は記録開始から約88秒後、200番目の間隔は約176秒後に起こったもので、心拍が速ければ、一分間により多くの間隔が詰まります。時間領域の指標(レッスン17)は、これを気にしません。周波数の指標(レッスン18)は気にするので、スペクトルを作る前に、系列を等間隔のクロックに再サンプリングします。二つ目は、長さが心拍数によって変わることです。1分あたり68拍で五分間なら341個の間隔になりますが、1分あたり50拍なら約250個です。拍数で決めたルールと秒数で決めたルールは、同じルールではありません。
ウェアラブルデバイスにとっての意味
同じ人に着けた時計、リング、胸部ストラップは、三つの違う連鎖を走らせます。センサー、 サンプリング周波数 サンプリング周波数 センサーが一秒間に信号を測る回数で、単位はヘルツ(Hz)。各拍をどこまで正確に計れるかを決め、1000 Hzで約±1 ms、250 Hzで±4 ms、25 Hzのカメラで±20 msです。 サンプリング周波数についてさらに詳しく 、検出の点、補正がすべて違い、そのどれも本人には見えません。機器が拍のデータを書き出せるなら、RRコンバーターでファイルをRR間隔の素のリストに変換でき、補正も指標の計算も自分で実行できます。機器どうしが食い違う理由は、レッスン8で挙げました。このレッスンで見たのは、そのうちの二つの背後にある仕組みです。メーカーが自社のHRVは「検証済み」だと言うときに問うべきは、連鎖のどの段階を、何と比べて試したのかです。そうした主張の読み方は、レッスン20で説明します。
次のレッスン17では、NN系列をもとに、その上に作られる時間領域の指標、幾何学的指標、ポアンカレ指標を一つずつ取り上げます。