HRV計算ツール:RR間隔からRMSSD、SDNN、スペクトル、DFA α1を求める

胸部ストラップやアプリで記録した拍ごとの間隔(RR間隔)を貼り付けるか、書き出したファイルを開いてください。RMSSD、SDNN、pNN50、ポアンカレプロット、ヒストグラムの指標、スペクトル(LF、HF、LF/HF)、DFA α1、エントロピーが得られます。

1行に1つ、またはカンマ、スペース、タブで区切ります。単位はミリ秒でも秒でもかまいません。ヘッダー行があっても読み込めます。

ブラウザ内で読み込み、アップロードはしません。

RR間隔の読み込みも計算も、このブラウザ内で行います。何もアップロードせず、保存もしません。 プライバシー

使い方

  1. 記録に使ったアプリから、RR間隔を書き出します。ストラップ用のアプリの多くが対応しています。Polar Sensor Logger、Elite HRV、HRV LoggerはCSVまたはTXTファイルを保存でき、Kubiosは間隔のテキストファイルを書き出せます。
  2. 数値をボックスに貼り付けるか、ファイルを開きます。ヘッダー行、時刻の列、数値のあとのメモがあっても読み込めます。
  3. 「HRVを計算」を押します。結果の下の1行で、どの列を読み取ったか、値をミリ秒と秒のどちらとして扱ったかを確認してください。違っていた場合は、単位を自分で選んで、もう一度計算します。

読み込める形式

  • 数値だけのリスト。1行に1つ、またはカンマ、スペース、タブで区切ります。
  • カンマ、セミコロン、タブで区切った表。RRの列は、RR、RRI、rr_ms、RR-interval [ms]、IBI、intervalなどのヘッダーで見つけます。ヘッダーがない場合は、値が心拍の間隔らしく、かつ増え続けない列を使います。そのため、時刻の列を間隔として読むことはありません。
  • ミリ秒でも秒でも読み込めます。ヘッダーに[ms]や(s)などの単位があればそれに従い、なければ10未満の値を秒として読みます。小数点にカンマを使った表記(0,812)にも対応します。
  • 最大5 MBのファイルから、最大50,000個の間隔(1分あたり60拍で約14時間分)を読み込めます。

数値の意味

計算の前に、計算ツール独自のルールを適用します。300〜2000 msの範囲外の間隔と、前後の間隔の中央値から25%を超えて離れた間隔は、実際の変化ではなく拍の検出漏れや余分な拍とみなし、アーチファクトとして除外します。除外した拍をまたいで差をとることはありません。結果には除外した拍がすべて一覧で表示され、タコグラムにも印がつきます。ほかのソフトウェアや、アーチファクトの用語集ページのデモは別のルールを使うため、除外する拍が異なることがあります。

RMSSD
各間隔が次の間隔とどれだけ違うかを、ミリ秒で表します。安静時は主に、神経系のうち体を落ち着かせる側(副交感神経)を反映します。多くのアプリがHRVとして表示する数値です。
lnRMSSD
RMSSDの自然対数です。小さい値どうしの差が広がり、数週間分の平均もとりやすくなります。
SDNN
すべての有効な間隔の標準偏差で、速い変動も遅い変動も含めた全体のばらつきです。
pNN50
隣り合う間隔の差が50 msを超えたものの割合です。
SD1とSD2
ポアンカレプロットの点の群れの幅と長さです。SD1はRMSSDを√2で割った値で、RMSSDと同じ情報を持ちます。SD2はSDNNとSD1から、√(2 × SDNN² − SD1²)として求めます(Brennanら, 2001)。
バエフスキーのストレス指数
間隔がどれだけ狭い範囲に集まっているかを表します。もとになるヒストグラムには長い時系列が必要なため、少なくとも2分の拍があるときだけ表示します。
HRV三角指数とTINN
間隔を7.8125 msごとのビンに分けたヒストグラムから読み取る2つの数値です。1つは間隔の数をいちばん多いビンの高さで割った値、もう1つはヒストグラムにいちばんよく合う三角形の底辺の幅です。どちらも変動が大きいほど大きくなり、5分〜24時間の記録を想定しています。
LF、HF、VLF、ULFパワー
変動を、周期の速さで分けたものです。HF(0.15〜0.4 Hz)は呼吸に連動し、LF(0.04〜0.15 Hz)は血圧のリズムとゆっくりした呼吸が混ざったもので、VLF(0.003〜0.04 Hz)とULF(0.003 Hz未満)はさらにゆっくりしています。それぞれの値は、その帯域でスペクトルの下にある面積で、単位はms²です。スペクトルは、間隔を4 Hzにリサンプリングして平滑化事前分布でトレンドを除いたうえで、ウェルチ法で求めます。5分の記録では、VLFはほとんどがゆっくりしたドリフトです。Task Forceは、そこまで短い記録からVLFを読み取らないよう勧めています。
LF nu、HF nuとLF/HF
LFとHFを、その合計に対する割合(正規化単位)で表した値と、その比です。表すのは2つの帯域のバランスであり、神経系の2つの枝のバランスではありません。
DFA α1とα2
トレンド除去変動解析です。間隔の上下動が、見る範囲の広さに応じてどう大きくなるかを、4〜16拍(α1)と16〜64拍(α2)で調べます。1に近いと拍がどの尺度でも記憶を持ち、0.5に近いとノイズのようにふるまいます。安静時の記録では通常、α1は約1かそれ以上になりますが、強くて規則的な呼吸のリズムがあると下がることがあります。運動すると、軽い負荷での約1から、きつい負荷での0.5へと近づいていきます。一部のアプリが使う0.75というしきい値が当てはまるのは、ランプ負荷テスト中だけです。
サンプルエントロピーと近似エントロピー
リズムがどれだけ予測しにくいかを表します。似た2拍の並びの次に、同じように一致する3拍目が続くかどうかを見ます。値が高いほど規則性が低くなります。サンプルエントロピーは、より新しく、偏りの小さい方法です。

HRV指標の一覧

どの指標に、どれだけの記録時間が必要ですか?

最低限の長さに足りないパネルは、数値の代わりにその旨を表示します。計算ツールが使う最低限の長さは次のとおりです。HFは1分、LFは2分、VLFは5分、ULFは24時間。ヒストグラムの指標は5分。DFA α1は64拍、α2は20分。サンプルエントロピーと近似エントロピーは200拍。

RMSSDとSDNNを求めるには、どれくらい記録すればよいですか?

Task Forceの標準は、安静時の5分間の記録です。RMSSDは1〜2分以内に安定します。SDNNは記録が長くなるほど大きくなり続けるため、長さの違う記録のSDNNどうしは比べないでください。

HFには1分、LFには2分、VLFには5分が必要なのはなぜですか?

スペクトルでリズムを測るには、そのリズムが何度か繰り返される必要があります。HFは3〜7秒周期、LFは7〜25秒周期、VLFは25秒〜5分周期です。Task Forceは、HFに約1分、LFに約2分、VLFに約5分を求めています。0.003 Hz未満のULFには、24時間の記録が必要です。

ヒストグラムの指標に5分が必要なのはなぜですか?

三角指数とTINNは、間隔を7.8 msごとのビンに分けて数えます。短い記録ではほとんどのビンがほぼ空になり、いちばん多いビンも当てはめた三角形も不安定になります。計算ツールは5分から表示しますが、Task Forceは少なくとも20分、理想的には24時間を勧めています。

DFA α2に20分、エントロピーに200拍が必要なのはなぜですか?

α2は16〜64拍のボックスで当てはめた傾きで、当てはめには最大サイズのボックスが多数必要です。サンプルエントロピーと近似エントロピーは、一致した拍の並びを数えます。約200拍より少ないと、一致する組が少なすぎて、その数にあまり意味がありません。4〜16拍のボックスで求めるα1は、64拍から使えます。

長さのほかに、数値を変えるものは何ですか?

姿勢、呼吸の速さと深さ、会話、カフェイン、時間帯、そして拍の検出漏れや余分な拍です。条件をそろえて比べてください。長さ、姿勢、時間帯を同じにして、アーチファクトを除きます。

数値を左右する記録時間と条件

HRVの指標は、どれだけ長く記録したか、記録中に何をしていたかで変わります。1996年のTask Force標準は、短時間記録を5分と定め、SDNNは記録が長いほど大きくなるため、長さの違う記録のSDNNどうしは比べないよう警告しています。RMSSDは短い記録でも比較的安定していますが、姿勢、呼吸、会話、コーヒー、時間帯のどれによっても変わります。

そのため、長さ、姿勢、時間帯をそろえて比べてください。公表されているデータと公平に比べるには、安静時の5分間の記録を使い、そのRMSSDをHRVチェッカーで確認します。記録には「胸部ストラップでHRVテスト」を使ってください。

出典

  • Task Force of the European Society of Cardiology and the North American Society of Pacing and Electrophysiology. Heart rate variability: standards of measurement, physiological interpretation and clinical use. Circulation 1996;93(5):1043–1065. doi:10.1161/01.CIR.93.5.1043
  • Brennan M, Palaniswami M, Kamen P. Do existing measures of Poincaré plot geometry reflect nonlinear features of heart rate variability? IEEE Transactions on Biomedical Engineering 2001;48(11):1342–1347. doi:10.1109/10.959330
  • Tarvainen MP, Ranta-aho PO, Karjalainen PA. An advanced detrending method with application to HRV analysis. IEEE Transactions on Biomedical Engineering 2002;49(2):172–175. doi:10.1109/10.979357
  • Peng CK, Havlin S, Stanley HE, Goldberger AL. Quantification of scaling exponents and crossover phenomena in nonstationary heartbeat time series. Chaos 1995;5(1):82–87. doi:10.1063/1.166141
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