SDNNをRMSSDに換算できる?

SDNNとRMSSDの間に換算はありません。SDNNは心拍の間隔すべてのばらつきの大きさを、RMSSDは各間隔が直前の間隔とどれだけ違うかを測ります。ゆっくりしたドリフトはSDNNを上げてもRMSSDにはほとんど響かず、余分な拍が入るとその逆になります。存在する換算はSD1だけで、RMSSDを二の平方根で割った値です。

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要点

  • SDNNは間隔すべてのばらつき、RMSSDは一つの間隔から次の間隔への変化の大きさです。同じ拍に、別の問いを立てています。
  • 両者の比はリズムによって変わります。下のインタラクティブなグラフでは、ゆっくりした呼吸で比は約1.7、ゆっくりしたドリフトで3を超え、余分な拍が一つ入ると1を下回ります。
  • Apple Watchの45 msのSDNNと、リングの45 msのRMSSDは同じ数値ではなく、比べるべきではありません。
  • SDNNは記録時間にも左右されるため、長さの違う記録のSDNNどうしも比べられません。
  • ポアンカレプロットのSD1は、RMSSDを√2で割った値と厳密に一致します。この仲間の中で、換算できるのはこれだけです。

できません。SDNNとRMSSDは同じ心拍に別の問いを立てていて、両者の比はリズムによって変わるため、一方をもう一方に変える式はありません。この仲間で換算できるのは、ポアンカレプロットの幅であるSD1だけで、RMSSDを二の平方根で割った値です。

同じ間隔への二つの問い

拍と拍の間隔をミリ秒で並べます。SDNNは、その標準偏差です。平均のまわりにどれだけ広がるかを見るもので、広がりの元が速い揺れでもゆっくりしたドリフトでも区別しません。RMSSDは、各間隔から直前の間隔を引き、その差を二乗して平均し、平方根をとります。見ているのは、一拍から次の拍への変化だけです。心拍変動(HRV)の基準値を概観したレビューは、RMSSDのほうがSDNNより副交感神経の影響を強く受けると、はっきり述べています。

二つが離れていくところを見る

同じ拍で見るSDNNとRMSSD

どちらも1996年のTask Forceの定義による

各拍の直前の間隔 750〜1050 ms

SDNN
76.7 ms
RMSSD
45.9 ms
SDNN ÷ RMSSD
1.67
SD1
32.5 ms

呼吸による拍ごとの揺れで、どちらの指標にも反映されます。

ここではSDNNは76.7 ms、RMSSDは45.9 msで、比は1.67です。 ゆっくりした呼吸1回の比は1.67だったので、この系列はそれに近い値です。 比は拍のパターンによって変わります。一方を他方に変換できる式がないのは、このためです。 一方、SD1は常にRMSSDを2の平方根で割った値になり、ここでは32.5 msです。

JavaScriptをオンにすると、プリセットとテキストボックスが使えます。

心拍と心拍の間隔12個(ミリ秒)です。SDNNは、すべての間隔がどれだけ散らばっているかを表し、RMSSDは、各間隔が直前の間隔とどれだけ違うかを表します。プリセットを試したり、自分で間隔を入力したりして、2つの数値が離れていく様子を見てください。一方を他方に変換できる式はありません。

心拍と心拍の間隔12個の折れ線グラフで、平均に破線が引かれています。表示欄には、SDNN、RMSSD、その比、SD1が表示されます。プリセットボタンで、ゆっくりした呼吸、ゆっくりしたドリフト、安定した拍、余分な拍が1つの場合を読み込めます。テキストボックスには、自分で間隔を入力できます。ゆっくりした呼吸では、SDNNは76.7 ms、RMSSDは45.9 msです。ゆっくりしたドリフトでは、SDNNは同程度のまま、RMSSDはわずかな値まで下がります。余分な拍が1つの場合は、RMSSDがSDNNよりはるかに大きく跳ね上がります。

プリセットを試してください。ゆっくりした呼吸を一度したときは、間隔が上下に揺れ、どちらの指標もその揺れを捉えます。SDNNはRMSSDの約1.7倍です。全体のばらつきが同じくらいのゆっくりしたドリフトでは、SDNNはほぼ同じままで、RMSSDは数分の一に下がります。一歩ごとの変化がごく小さいからです。拍が一つ余分に入ると、早く来た拍とその後の休止が非常に大きな変化を二つ作るため、RMSSDはSDNNよりはるかに大きく跳ね上がります。拍が一定でジッター(細かな揺らぎ)があるときは、RMSSDがSDNNを上回ります。四つの場合を一つの換算率では表せません。

ボックスに自分の間隔を入力すると、数値が再計算されます。胸部ストラップのアプリから拍の間隔を書き出せるなら、その一部をここに貼り付けられます。

記録時間で悪化する理由

SDNNは、さらに記録が長くなるほど大きくなります。長い記録には、よりゆっくりした揺れが含まれるからです。同じレビューは、長さの違う区間から計算したSDNNを比べるのは不適切であり、24時間、短時間、超短時間の値は互換性がないと述べています。当サイトの基準データが24時間の行と5分の行を分けているのは、そのためです。健康な成人で24時間のSDNNが100 msを超える一方、研究を統合した5分のSDNNが平均約50 msなのも、同じ理由です。

したがって、「Apple Watchの45 msのSDNN」と「リングの45 msのRMSSD」は、統計量も、記録時間も、時間帯も違います。AppleのドキュメントはHealthKitのHRVの種類をSDNNと説明しており、2025年の検証研究は、Oura、WHOOP、Garmin、Polarがいずれも睡眠中のRMSSDを報告していると記しています。この違いがもたらす影響は、Apple WatchのHRVが違う理由で詳しく説明しています。

換算できる唯一の例

Cicconeら(2017)は、数式とデータの両方で、RMSSDとSD1が同じ指標であることを示しました。SD1はRMSSDを√2で割った値に等しいのです。あるアプリがSD1を、別のアプリがRMSSDを表示しているなら、SD1に1.414を掛けると、RMSSDがぴったり求まります。インタラクティブなグラフでは、SD1が他の二つと並んで表示され、どのプリセットでもRMSSDに追従するのがわかります。プロットの説明は、用語集のSD1とSD2にあります。

自分のデータでどうするか

  • 機器が出す指標を記録し、その機器の過去の値とだけ比べます。
  • 基準値を調べるときは、指標と記録時間を合わせます。HRVチェッカーは、その両方を尋ねます。
  • SDNNを報告する機器から、RMSSDを報告する機器に替えたら、新しい系列を始めます。ベースラインをつくるには、約三週間かかります。

よくある質問

アプリにSDNNとRMSSDの両方が出て、近い値です。いつも近いということですか?

いいえ。安静時の短く落ち着いた測定では、呼吸がばらつきの大半を生み、どちらの指標もそれを捉えるので、近い値になることがよくあります。ゆっくりしたドリフト、乱れた拍、より長い記録が加わると、両者は離れます。

「RMSSDはSDNNの約0.8倍」といった目安はありますか?

そうした目安は、それを導いたのと同じ種類の記録でしか成り立ちません。記録時間、姿勢、呼吸が変われば外れます。機器が出す指標をそのまま記録し、同じ指標と比べてください。

どちらを記録すればよいですか?

機器が報告するほうを、続けて記録します。リングやバンドの多くはRMSSDを使い、「ヘルスケア」AppはSDNNを保存します。それぞれ、自分の過去の値と比べてください。

出典

  1. Reminder: RMSSD and SD1 are identical heart rate variability metrics Muscle & Nerve, 2017
  2. An Overview of Heart Rate Variability Metrics and Norms Frontiers in Public Health, 2017
  3. heartRateVariabilitySDNN Apple Developer Documentation
  4. Validation of nocturnal resting heart rate and heart rate variability in consumer wearables Physiological Reports, 2025