100点満点の心拍変動(HRV)スコアは、ミリ秒の値を別の形にしたものです。Elite HRVによると、RMSSDを計算して自然対数をとり、600万件を超える測定から決めた0〜100の尺度に引き伸ばしており、平均的なユーザーのスコアは約59です。WelltoryもHRVスコアをlnRMSSDから出しています。尺度はアプリごとに別物なので、あるアプリの70は、別のアプリの70ではありません。
スコアのつくり方
手順は、Elite HRVのヘルプ記事(英語)に書かれています。アプリは、胸部ストラップかその他のBluetoothセンサーで拍と拍の間隔を記録し、明らかなアーチファクトを取り除いて、隣接するNN間隔の差の二乗平均平方根であるRMSSDを計算します。次に自然対数をとります。ヘルプ記事によると、「ln( RMSSD RMSSD 隣接するNN間隔の差の二乗平均平方根。1拍ごとの心拍間隔が次の拍とどれだけ違うかをミリ秒で表すHRV指標で、主に迷走神経の活動を反映します。 RMSSDについてさらに詳しく )の値は通常0〜6.5の範囲」で、より直線的に振る舞うからです。そして、測定データベースをもとにした「全員が0〜100の範囲に収まる」尺度に引き伸ばします。引き伸ばし方の詳細は書かれていません。スコアは、測定中は15秒ごとに更新され、最終的な数値は記録されたすべての拍を使います。
Welltoryのヘルプページ(英語)には、HRVスコアは「lnRMSSDから計算される」とあり、「100%に近いスコアは理想的な状態を示す」としています。こちらも計算式は示していません。
対数のはたらき
自然対数は、掛け算を足し算に変えます。RMSSDが2倍になるごとに、lnRMSSDはおよそ0.69増えます。
| RMSSD | lnRMSSD lnRMSSD RMSSDの自然対数で、単位はありません。対数をとるとRMSSDの値の散らばりが整い、日ごとの変化を比べたり分析したりしやすくなります。 lnRMSSDについてさらに詳しく |
|---|---|
| 10 ms | 2.3 |
| 20 ms | 3.0 |
| 40 ms | 3.7 |
| 80 ms | 4.4 |
| 160 ms | 5.1 |
そのため、対数をもとにしたスコアでは、20 msから40 msへの上昇と、40 msから80 msへの上昇が同じ扱いになります。これは意図的なものです。HRVの基準値に関するレビューには、研究者が時間領域の指標を自然対数で報告するのは、分布を正規分布に近づけるためだと書かれています。順を追った説明は、用語集のlnRMSSDと、レッスンRMSSD、SDNN、lnRMSSDにあります。
アプリが違うとスコアが合わない理由
Elite HRVは、自社のスコアがほかのアプリと違う理由を説明するヘルプページ(英語)で、ほかのアプリはRMSSDの自然対数に「でたらめとも思える係数」を掛けているので、そちらでは100をはるかに超えるスコアになる人が多いと述べています。標準はありません。引き伸ばし方、測定時間、姿勢の指示、アーチファクトの扱いは、アプリごとに違います。また、スコアを、スマートリングやスマートウォッチのミリ秒の値と並べて比べることもできません。そちらは別の時間枠で、夜間に測定されたものだからです。HRVチェッカーがアプリのスコアを研究の値と比べないのはこのためで、代わりに、デバイスが何を測っているかを説明します。
スコアの使い方
- 隣に表示されるRMSSDまたはlnRMSSDを読む。 ほとんどのアプリは、どちらかを表示します。その数値なら、年齢別のHRV基準値の表で調べられ、別のアプリにも持ち越せます。
- 毎回同じ方法で測る。 同じ時刻、同じ姿勢、同じ呼吸、同じ長さで測ります。手順は、レッスン良いHRV測定のやり方にあります。
- 7日間の推移を見る。 いつもは62なのに今日は48、という1回の測定値のほうが、どんな色の表示よりも多くのことがわかります。
医師に相談するとき
スコアは体調管理の目安です。動悸、めまい、失神、胸の痛み、息切れがある場合は、アプリの表示にかかわらず、医師に相談してください。