HRVが低いと症状が出る?

HRVは測定値であり、低くてもそれだけで症状が出ることはありません。HRVが低い日に感じる疲れ、体の痛み、緊張は、ふつうHRVを下げた原因から来ています。短い睡眠、感染症、きついトレーニング、ストレス、アルコールなどです。HRVが何を示していても、医師に相談すべき症状もあります。

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要点

  • HRVそのものを体で感じることはできません。数値が低くても、それだけで症状は出ません。
  • 数値が低い日に感じる不調は、ふつう原因のほうから来ます。短い睡眠、ひきかけの風邪、きついトレーニング、ストレス、アルコールなどです。
  • HRVはこれらのどれにも似たように反応するため、数値からはどれが原因かわかりません。
  • 症状のない低い測定値が、軽めの一日にする以上の行動の理由になることはまれです。自分の普段の値と比べてください。
  • 胸の痛み、失神、呼吸困難、めまいを伴う動悸は、HRVが何を示していても医療機関の受診が必要です。

心拍変動(HRV)が低いこと自体が症状を起こすことはありません。HRVは測定値だからです。ただ、低い測定値は、体で感じる不調と一緒に現れることがよくあります。HRVを下げる短い夜、風邪、きついトレーニング、ストレス、お酒は、疲れ、体の痛み、緊張も引き起こすからです。HRVが何を示していても、医師に相談すべき症状もあります。

HRVを体で感じられない理由

HRVとは、ある心拍から次の心拍までの時間がどれだけ変わるかで、その変化はわずか100分の数秒ということもよくあります。腕時計、リング、ストラップは、拍のタイミングからHRVを計算します。こうした変化を体で感じることはありません。

体で感じられるのは、心臓がどきどきする、強く打つ、ばたばたする、脈が飛ぶといった感覚です。これらは動悸という症状で、HRVとは別のものです。ソフトウェアが除外しきれなかった余分な拍は、測定値を下げるどころか、上げることさえあります。その仕組みはアーチファクトと余分な拍:HRVがずれる理由で説明しています。

HRVが低い日に感じうること

低い測定値には、たいてい名前を挙げられる原因がついてきて、症状を運んでくるのはその原因のほうです。

HRVを下げたもの気づきうること
短い夜、途切れた睡眠疲れ、集中力の低下
風邪などの感染症のひき始めのどの痛み、体の痛み、だるさ
きついトレーニング脚の重さ、筋肉痛、練習がいつもよりきつく感じる
ストレスや心配事緊張、考えが止まらない、眠りが浅い
前の晩のアルコール二日酔い、眠りが浅い

ある研究では、三晩続けて一晩3時間しか眠らなかった成人15人で、朝の測定値のRMSSD(よく使われるHRVの指標)が低くなりました。37件の研究をまとめたレビューでは、その大半で、心理的なストレスに伴ってHRVが変化していました。起床後に毎朝スマートフォンで短い測定をした28,175人のアプリのデータでは、一人ひとりを自分の平均と比べたとき、HRVは中程度またはきついトレーニングのあとに約3%、病気のときに約10%、大量に飲酒したあとに約12%下がっていました。

きついトレーニングが、いつもHRVを下げるとは限りません。よく鍛えた男性トライアスロン選手21人の研究では、三週間の過負荷トレーニングを行った13人は全員ランニングテストの成績が落ち、週平均のHRVは、通常どおり練習した8人よりも大きく上がりました。くわしくはHRVでオーバートレーニングはわかる?で取り上げています。

数値からは原因がわからない

アプリの研究の著者たちは、HRVを「感度は高いが特異的ではない」と表現しました。HRVは多くの種類の負担に反応するため、低い数値だけでは、どれが背景にあるのかわかりません。体の感覚のほうが、よい手がかりになることがよくあります。のどの痛みなら風邪、脚の重さならトレーニングが疑われます。HRVは体調を崩す前に教えてくれる?とHRVはよいのに疲れているのはなぜ?では、この両面を見ています。

低い測定値が出たときにすること

  1. この一、二日を振り返ってください。 睡眠、お酒、トレーニング、ストレス、ひきかけの風邪は、数値が下がるよくある原因です。
  2. 自分の普段の値と比べてください。 一回の朝の値より、7日間の平均を普段の範囲と比べるほうが多くのことがわかります。読み方はHRVが低いとはどういうこと?で説明しています。
  3. 症状で判断してください。 体調が悪ければ、測定値にかかわらず休んでください。体調がよければ、軽めの一日と早めの就寝で十分です。
  4. 推移を見てください。 はっきりした理由がないまま、HRVが数週間にわたって普段の範囲を大きく下回り、体調がすぐれない、またはいつになく疲れると感じるなら、医師に相談してください。

HRVにかかわらず医師に相談すべきとき

HRVで何かを診断することはできず、普通の測定値だからといって何かが否定されるわけでもありません。症状で判断してください。MedlinePlusとNHSの助言に従い、次の場合はすぐに救急医療を受けてください。

  • おさまらない胸の痛みや不快感、または腕、首、あご、背中に広がる胸の痛み
  • 失神(意識を失う)
  • ひどい呼吸困難、または胸が締めつけられる、重いと感じる
  • おさまらない動悸、または胸の痛み、息切れ、めまい、気が遠くなる感じ、失神を伴う動悸
  • これらのいずれかに、いつもと違う発汗を伴う

次の場合は、早めに医師に連絡してください。

  • 動悸が新しく出た、繰り返し起こる、数分以上続く、または余分な拍をよく感じる
  • 安静時の脈拍が100を超え、運動、不安、発熱では説明できない
  • いつもより息切れする
  • 理由がよくわからない疲れが数週間続いている、または疲れが日常生活に影響している

HRVの推移を持っていくのはかまいませんが、どんな検査が必要かは医師に判断してもらってください。HRVが低いとはどういうこと?の回答も、同じ助言で締めくくっています。

よくある質問

HRVが低いと、疲れやめまいを感じることはありますか?

HRVそのものが原因になることはありません。HRVは心拍と心拍の間隔がどう変わるかを表すもので、疲れやめまいを起こすものではありません。短い睡眠や病気など別の何かが、その感覚と低い数値の両方を引き起こすことはあります。動悸、胸の痛み、失神を伴うめまいは、医師に相談してください。

動悸はHRVが低いサインですか?

いいえ。動悸とは、心臓がどきどきする、強く打つ、ばたばたする、脈が飛ぶといった感覚のことです。動悸は症状で、HRVは拍のタイミングから計算する数値です。ソフトウェアが除外しきれなかった余分な拍は、測定値を下げるどころか、上げることさえあります。

HRVは低いけれど体調はよいです。心配すべきですか?

ふつうは心配いりません。測定値を自分の普段の値と比べ、一週間ほど推移を見てください。はっきりした理由がないまま数週間にわたって普段の範囲を大きく下回り、体調がすぐれない、またはいつになく疲れると感じ始めたら、医師に相談してください。

出典

  1. What Is behind Changes in Resting Heart Rate and Heart Rate Variability? A Large-Scale Analysis of Longitudinal Measurements Acquired in Free-Living Sensors, 2021
  2. Sleep Deprivation Deteriorates Heart Rate Variability and Photoplethysmography Frontiers in Neuroscience, 2021
  3. Stress and Heart Rate Variability: A Meta-Analysis and Review of the Literature Psychiatry Investigation, 2018
  4. Evidence of parasympathetic hyperactivity in functionally overreached athletes Medicine & Science in Sports & Exercise, 2013
  5. Heart palpitations MedlinePlus, U.S. National Library of Medicine
  6. Heart palpitations NHS
  7. Chest pain NHS
  8. Shortness of breath NHS
  9. Tiredness and fatigue NHS