下がることが多いものの、研究の結果はすべては一致していません。2023年のレビューは、24時間勤務の12件の研究(各8〜60人)を集めました。 LF LFパワー 心拍間隔の分散のうち0.04〜0.15 Hzの帯域に入る部分で、単位はms²。7〜25秒ごとに繰り返すリズムです。かつては交感神経の活動と読まれましたが、現在は異論があります。 LFパワーについてさらに詳しく /HF比を報告した九件のうち三件で勤務後に上昇し、 高周波パワー HFパワー 心拍間隔の分散のうち、通常の呼吸の範囲である0.15〜0.40 Hzの帯域に入る部分で、単位はms²。呼吸が毎分9〜24回のとき、主に迷走神経活動を反映します。 HFパワーについてさらに詳しく (HF)を報告した五件のうち二件で低下していました。著者は、結果は一致していないが、副交感神経優位から離れる方向を指していると述べています(Jelminiら, 2023)。より明確な影響は、心拍変動(HRV)の日内リズムにあります。夜勤が一〜三回続いたくらいでは、このリズムは夜の働き方に適応しません(Jensenら, 2016)。
夜勤がHRVを動かす理由
HRVは体内時計に従います。迷走神経ブレーキが優位になる夜に上がり、朝の時間帯に下がります。夜勤は、体が休もうとする時間に覚醒していること、体が起きようとする時間に眠ることを求めます。昼の睡眠は短く浅くなります。11件の試験を統合すると、睡眠不足でRMSSDが下がっていました(Zhangら, 2025)。HRVを左右する要因を扱った2024年のレビューは、交代勤務を、値の低さと関連する外的要因の一つに挙げています(Sammitoら, 2024)。
レビューでわかったこと
長時間勤務。 2023年のレビューは1964年から2023年までの文献を調べ、基準を満たしたのは12件だけでした。対象は、消防士、救急隊員、医師、その他の24時間勤務の人たちです。LF/HF比への統合した効果は中程度の上昇でしたが(Hedgesのg = 0.82)、信頼区間がゼロをまたいでいたため統計的には有意でなく、著者は結果が一致しない理由を、記録時間、機器、仕事の負荷の違いに求めています。五件は質が高く、五件は中程度、二件は低いと評価されました。
連続した夜勤。 2016年のレビューは、夜勤が続く間のコルチゾール、メラトニン、HRVの日内リズムを追った現場研究を調べました。多くは30人未満の小規模で、ほとんどは二晩続きだけを検討していました。全体として、連続した一〜三晩のあとでは、リズムは適応していませんでした。コルチゾールとメラトニンについては、七晩のあとに完全に適応した研究が少数ありました。HRVについては四件の研究しかなく、適応に何晩かかるかは言えませんでした。
実際には、こう読めます。二〜四晩という典型的なシフト表では、体内時計は昼の時間のままなので、夜勤中のHRVは、起きている昼間のHRVと同じあたりにあり、昼の睡眠中のHRVは、普通の夜に見られる夜間のピークには届きません。
自分のデータの読み方
- ベースラインを二つつくります。 夜勤の期間の測定値と、休みの日の測定値を分け、それぞれ、その条件でのいつもの範囲と比べます。範囲のつくり方は、レッスンHRVのベースラインをつくるにあり、どちらのデータにも同じ計算が使えます。
- 夜勤の期間は推移で判断します。 夜勤が続くあいだ着実に下がり、休みの日に戻るのは、予想されるパターンです。休みの日になっても低いままの期間や、数か月かけて下がっていく推移は、睡眠をもう少し丁寧に確かめたほうがよいでしょう。
- 昼の睡眠を守ります。 暗く、涼しく、静かな部屋と、夜勤明けに決めた睡眠時間帯が、昼の睡眠を長くします。根拠が最もはっきりしているのは睡眠の長さです。
- ほかの要因も見ます。 夜勤では、遅い時間のカフェイン、不規則な時間の重い食事、運動の減少がよくあります。それぞれに専用のページがあります。カフェイン、睡眠、ストレス。
時差のある移動も、体内時計を同じように動かします。高地や飛行機、時差ぼけでHRVは変わる?を参照してください。
医師に相談するとき
きちんとした習慣があっても昼に眠れないとき、運転中や仕事中に眠ってしまうとき、交代勤務とともに気分の落ち込みが続くときは、医師に相談してください。胸の痛み、動悸、息切れがあれば、HRVの値にかかわらず受診してください。HRVで診断できるものはなく、このページは医学的な助言ではありません。